「株を買ったら、配当金って、いつ・どうやってもらえるの?」
「NISAなら配当金に税金がかからないって聞いたけど、何か設定が要るの?」
この記事は、そんな疑問に答える記事です。
先に大事なことを1つだけお伝えします。
NISA口座で株を買っても、受け取り方の設定が違うと、配当金に税金がかかってしまいます。
これは、配当金投資を始めたばかりの方が、いちばん見落としやすいポイントです。
この記事では、
- 配当金がもらえるまでの流れ(いつ入金される?)
- 4つの受け取り方式のちがい
- NISAで非課税にするための条件と設定
を、元銀行員の私がやさしく解説します。
読み終わったら、そのまま証券会社のサイトで設定を確認するところまでできるはずです。
配当金がもらえるまでの流れ(いつ入金される?)
まず、「いつもらえるのか」から見ていきましょう。
配当金とは、会社が利益の一部を株主に分けてくれるお金のことです(くわしい仕組みは配当金投資のはじめ方の記事で解説しています)。
もらえるまでの流れは、この3ステップです。
ステップ1:権利確定日の株主になる
会社は、「この日の時点で株主だった人に配当を配ります」という日を決めています。
これを権利確定日といいます。
多くの会社では、決算の月末(3月末決算なら3月31日)です。
ここで1つ注意があります。
株は買ってから株主名簿に載るまで2営業日かかるため、権利確定日の2営業日前(権利付き最終日)までに買っておく必要があります。
権利確定日の当日に買っても、その回の配当はもらえません。
ステップ2:2〜3ヶ月ほど待つ
権利確定日を過ぎても、すぐには入金されません。
会社が決算をまとめて、株主総会を経てから支払われるため、入金は権利確定日の2〜3ヶ月後が一般的です。
| 例 | 権利確定日 | 入金の時期(目安) |
|---|---|---|
| 3月末決算の会社(期末配当) | 3月末 | 6月下旬ごろ |
| 同じ会社の中間配当 | 9月末 | 11月下旬〜12月ごろ |
多くの会社は、年2回(中間・期末)に分けて配当を出しています。
年1回の会社や、四半期ごと(年4回)の会社もあります。
ステップ3:設定した方法で受け取る
そして、どこにどう入金されるかは、次の章の「受け取り方式」で決まります。
ここが今日の本題です。
受け取り方は4種類。でも実質、選ぶのは1つです
配当金の受け取り方には、4つの方式があります。
| 方式 | 受け取り場所 | NISAで非課税になる? |
|---|---|---|
| ① 株式数比例配分方式 | 証券口座に入金 | なる |
| ② 登録配当金受領口座方式 | 指定した銀行口座にまとめて入金 | ならない |
| ③ 配当金領収証方式 | 郵送された領収証をゆうちょ銀行などの窓口で換金 | ならない |
| ④ 個別銘柄指定方式 | 銘柄ごとに指定した銀行口座に入金 | ならない |
名前はどれも難しそうですが、覚えるのは1つだけで大丈夫です。
① 株式数比例配分方式は、配当金を、株を持っている証券口座で受け取る方式です。
なぜこれだけ覚えればいいのか。次の章で説明します。
NISAで配当金が非課税になる条件
ふつう、配当金には約20%(正確には20.315%)の税金がかかります。
たとえば配当金が10万円なら、手取りは約8万円になる計算です。
NISA口座で買った株なら、この税金が非課税になります。
ただし、ここに条件が1つあります。
受け取り方式を「株式数比例配分方式」にしていること。
これが今日いちばんお伝えしたいことです。
なぜ他の方式だと課税されるの?
銀行口座で受け取る方式(②や④)や、窓口で換金する方式(③)では、その配当がNISA口座の株のものかどうかを、支払いの仕組み上ひもづけできません。
そのため、NISA口座で保有している株の配当でも、証券口座以外で受け取ると約20%の税金が引かれてしまうのです。
「NISAで買ったから大丈夫」と思っていたら、実は課税されていた。銀行員時代にも、これに気づいていない方はとても多くいらっしゃいました。
設定はかんたんです
株式数比例配分方式への変更は、証券会社のサイトから無料でできます。
多くの場合、「口座管理」や「お客様情報」のページに「配当金受領方式(受取方法)」という項目があります。
楽天証券・SBI証券をお使いの方は、初期設定の記事でも設定場所に触れています(楽天証券の初期設定/SBI証券の初期設定)。
そして、1つ知っておくと安心な仕組みがあります。
この方式は、証券会社ごとではなく、あなた単位で決まります。
複数の証券会社に口座を持っている場合、1社で株式数比例配分方式に設定すると、他の証券会社の口座もすべて同じ方式に変わります。
「A社はNISA用、B社は銀行受け取り」という使い分けはできない、と覚えておいてください。
投資信託の分配金はどうなる?
なお、投資信託の分配金は、この方式の設定に関係なく証券口座内で受け取る仕組みです。
NISA口座の投資信託なら、分配金は特別な設定なしで非課税になります(分配金の出る投信そのものの注意点は毎月分配型の記事をどうぞ)。
なお、ETF(上場投資信託)やREITは、投資信託という名前がついていても株式と同じ扱いです。NISAで非課税にするには、株式と同じく株式数比例配分方式の設定が必要になります。
気をつけたいこと・よくある質問
Q. 設定はいつまでにすればいいですか?
権利確定日の時点の方式が適用されます。配当をもらう予定の銘柄があるなら、早めに設定を確認しておくのが安心です。
Q. 権利確定日の直前だけ株を買えば、お得ですか?
おすすめしません。権利確定日を過ぎると、配当の分だけ株価が下がりやすい(権利落ちといいます)ため、配当だけを狙った短期の売買は割に合わないことが多いです。配当金投資は、長く持って受け取り続けることが前提の投資です。
Q. 配当金は、ずっと同じ金額もらえますか?
いいえ。会社の業績によっては、配当が減ること(減配)も、なくなること(無配)もあります。だからこそ、買う前に配当の続きやすさを確認することが大切です。確認する数字は高配当株の選び方の記事で解説しています。
Q. 米国株や海外ETFの配当もNISAで非課税になりますか?
日本国内の税金(約20%)は非課税になります。ただし、米国株などは現地で引かれる税金(米国なら10%)があり、こちらはNISAでも残ります。「海外の分は少し引かれる」とだけ覚えておけば大丈夫です。
まとめ:設定1つで、手取りが変わります
最後に、この記事の要点です。
- 配当金の入金は、権利確定日の2〜3ヶ月後が一般的
- 受け取り方式は4種類あるが、覚えるのは「株式数比例配分方式」だけ
- NISAで配当を非課税にするには、株式数比例配分方式の設定が必須
- 設定は証券会社のサイトから無料・すべての証券口座に共通で適用
同じ株を、同じNISA口座で買っても、設定1つで手取りの配当金が変わります。
この記事を閉じる前に、ご自身の証券口座の設定を一度のぞいてみてください。
これから銘柄を選ぶ段階の方は、選び方の記事へどうぞ。
→ 高配当株の選び方。買う前に見る7つの数字を、元銀行員がやさしく解説
そもそも配当金投資が初めての方は、仕組みから。
→ 配当金投資のはじめ方。お給料以外に「お金が入ってくる仕組み」を育てよう
銘柄選びに進んだら、買う前の点検を1枚のシートにした「高配当株カルテ」も用意していますので、必要になったタイミングでのぞいてみてください。
※ 本記事は特定の銘柄・金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終判断は、ご自身の責任でお願いいたします。
※ 制度・税金に関する記述は2026年8月時点の情報です。最新の情報は金融庁「新しいNISA」のページ(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/)等でご確認ください。